コロナ禍で臨地実習ができない教育現場では、その代わりに事例演習やシミュレーション演習などの
学内演習が行われました。幸運なことに、本学では臨地実習を短縮しながらも実施できましたが、
本学でもコロナ禍の影響を受けたことは例外ではありません。臨地実習不足の時間は学内で補完しましたが、
学生からは「私、看護師になれるのでしょうか?」といった不安な声を耳にしました。
本学では、臨地実習の予定を変更せざるを得なかった学生を対象にアンケート調査を実施しました。
将来の不安として「コロナ世代と呼ばれて、ほかの年度に入職した看護師と区別される可能性」や、
臨床現場に入ったときに「看護ケアプランを立案できるか」、「看護ケア技術の実践ができるか」などの
質問に対して、8割以上の学生が「とても不安である/ やや不安である」と回答しています。
現在、教育現場では臨地での経験が得られないことによる学生の不安に向き合い続けていますが、
臨床の現場でもコロナ禍特有の新人看護師の不安や気持ちの揺らぎに向き合っているのではないでしょうか。
次回は演習を担当した櫻井友子講師に寄稿いただきます。
【プロフィール】
著者:
学校法人 湘南ふれあい学園 湘南医療大学 川本 利恵子 先生
産業医科大学産業保健学部教授、九州大学大学院医学研究院教授などを経て、
2019年に湘南医療大学保健医療学部看護学科長に着任。
公益社団法人日本看護協会元常任理事。一般社団法人日本看護系大学協議会理事。
※本コラムは、メディカルサポート便り 2022年5月号に掲載されたものです。
投稿日 : 2022.05.01