近年、「発達障害」という言葉をよく耳にするようになりました。皆さんのなかにも、患者や医療スタッフとのコミュニケーションを通じて「発達障害かな?」と感じたことがある方が多いのではないでしょうか。
少子化が進むなか、発達障害の子どもの数は確実に増え続けています。文部科学省によると、通級指導教室での指導を受けている発達障害の児童・生徒の数はこの十数年で大幅に増加しています。
当然、看護教育の場においても該当する学生が見受けられます。授業中に集中力を保つことができない学生や、自覚がありながら忘れ物を繰り返す学生、滴下計算がどうしてもできない学生や特定の漢字の誤認を繰り返す学生など、発達障害ではないか? またはグレーゾーンではないか? と感じられる学生はどの学年にも含まれます。
しかし、そのような学生においても日常生活や学校生活に表面上の支障はないことがほとんどです。逆に特定の知識が豊富であったり、友人への思いやりが深いなど優れた能力をもつ者もいます。
発達障害やグレーゾーンが特別ではなくなっている昨今において、看護の現場でもそれぞれの能力・特性に応じた働き方を模索する必要があるのではないでしょうか。
【プロフィール】
著者:
学校法人 湘南ふれあい学園 湘南医療大学 櫻井 友子 先生
千葉大学大学院看護学研究科附属看護実践研究指導センターで特任助教を務めたのち、
ベンチャー企業での健康アプリ開発などを経て2018 年湘南医療大学保健医療学部看護学科に着任。
臨床看護学領域講師。
※本コラムは、メディカルサポート便り 2022年12月号に掲載されたものです。
投稿日 : 2023.12.11