前回までに現在の若者の特徴として、生育背景やコミュニケーション方法の違い、
発達障害の割合の増加などについて触れてきましたが、コロナ禍の特徴もあると感じています。
コロナ禍において看護基礎教育を受ける学生たちは、臨地実習という学習機会が喪失または減少し、
実践現場での経験や学びが不足しているという不安を抱えています。
実習経験の違いから「現場についていけないのではないか?」「患者とコミュニケーションをうまくとれないのではないか?」などの
不安を耳にすることもしばしばです。
2022年度の本学の臨地実習においても、現場または学生自身の感染などから実習の予定変更を余儀なくされることが頻発しました。
感染が猛威を振るうコロナ禍においては、ウィズコロナの環境に至るにはまだまだ程遠いでしょう。
不安を抱えたまま卒業する学生は、不安を抱えた新人看護師になります。
このような状況における新人看護師の育成にはプラスアルファの工夫が必要です。
次回は、本学が現場と協働しながら進めている「新型コロナウイルスの影響に係る看護職員卒後フォローアップ研修事業」についてご紹介します。
【プロフィール】
著者:
学校法人 湘南ふれあい学園 湘南医療大学 櫻井 友子 先生
千葉大学大学院看護学研究科附属看護実践研究指導センターで特任助教を務めたのち、
ベンチャー企業での健康アプリ開発などを経て2018 年湘南医療大学保健医療学部看護学科に着任。
臨床看護学領域講師。
※本コラムは、メディカルサポート便り 2023年1月号に掲載されたものです。
投稿日 : 2024.01.15