令和2 ～3年度に看護基礎教育を修了した新人看護師は臨地実習を十分に経験できませんでした。
そのため本学では、国および神奈川県からの支援を受け「新型コロナウイルスの影響に係る看護職員卒後フォローアップ研修事業」に取り組みましたのでご紹介します。
これは新人看護師に対し、看護基礎教育での臨地実習の経験不足を補うための体験型研修と、メンタルヘルスセミナーを実施するものでした。
体験型研修では新人看護師がふだんの勤務先とは違う診療科の看護を体験し、先輩看護師や大学の教員から指導を受けました。
参加者からは「臨地実習が短かったため現場でついていけるか心配だった」「勤務先とは違う経験ができて参考になった」などの声が聞かれました。
この研修のもう1つの目玉のメンタルヘルスセミナーでは、参加者のストレス対処能力を確認しながら希望者に対しサポートを行いました。
さらに必要に応じて、看護実践能力のスキル確認により自己肯定感が高まるようにアウトリーチ型個別指導を取り入れ、職場適応につなげる支援を行いました。
Covid-19 蔓延による看護基礎教育への影響はいまだ続いており、今後も本事業を通じて新人看護師と現場の一助となれるよう活動を継続していきたいと考えています。
【プロフィール】
著者：
学校法人 湘南ふれあい学園 湘南医療大学 川本 利恵子 先生
産業医科大学産業保健学部教授、九州大学大学院医学研究院教授などを経て、
2019年に湘南医療大学保健医療学部看護学科長に着任。
公益社団法人日本看護協会元常任理事。一般社団法人日本看護系大学協議会理事。
※本コラムは、メディカルサポート便り 2023年2月号に掲載されたものです。
投稿日 : 2024.02.15
