■現場とともにあるOJT教育~ウィズコロナ時代の人材育成~
第12回 ウィズコロナ時代において新人育成にどう取り組むべきか

Covid-19が蔓延する以前より、看護基礎教育における学生の看護経験(実習)はカリキュラム改正を重ねるとともに領域ごとに細分化されてきました。看護の現場からは基礎教育の内容が不足しているのではないかといった指摘もしばしばです。

看護学生の実践経験の不足によって、近年の新人教育では、ほぼゼロスタートでの看護スキルの OJT が求められ、現場でのご苦労は例年倍増していることと思います。

しかし一方で、いまだ継続するコロナ禍においては、看護経験(実習)がさらに乏しい新人を迎え入れなければならず、新人看護師、現場とも大きな不安を抱えていることでしょう。
ウィズコロナ時代において新人看護師を育成するには、学生時代に得られたわずかな看護経験を大切にして、そこから現場への学びにつなぎ、深めていくことが必要ではないでしょうか。

かつての新人看護師がもっていた技術や経験といったものは、ウィズコロナ時代においてはますます期待することはできません。

しかし学生や新人看護師はできることを実践しようと日々奮闘しています。
未来の医療を担う彼らのため、私たち自身も人材育成の考え方を発展させ、研鑽し続ける必要があります。
本稿で連載は最終回となりますが、少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。

1年間お読みいただきありがとうございました


【プロフィール】
著者:
学校法人 湘南ふれあい学園 湘南医療大学 川本 利恵子 先生
産業医科大学産業保健学部教授、九州大学大学院医学研究院教授などを経て、
2019年に湘南医療大学保健医療学部看護学科長に着任。
公益社団法人日本看護協会元常任理事。一般社団法人日本看護系大学協議会理事。

【プロフィール】
著者:
学校法人 湘南ふれあい学園 湘南医療大学 櫻井 友子 先生
千葉大学大学院看護学研究科附属看護実践研究指導センターで特任助教を務めたのち、
ベンチャー企業での健康アプリ開発などを経て2018 年湘南医療大学保健医療学部看護学科に着任。
臨床看護学領域講師。

※本コラムは、メディカルサポート便り 2023年3月号に掲載されたものです。

投稿日 : 2024.03.15

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