コラム
2025.09.19
Hei!(ヘイ!、フィンランド語で「こんにちは」)本ページにご訪問いただきありがとうございます!
第3回となる今回は、本年11月2日~8日に開催予定の『第1回北欧看護事情研修旅行』で、なぜフィンランド・エストニアが選ばれたのか? その理由を2国の基本情報・魅力とともにご紹介します。
ページの最後には、筆者の友人が8月末にエストニアの首都タリンを訪問した際の写真も掲載しています。
ぜひ最後までお楽しみください!
・正式名称:フィンランド共和国
・首都:ヘルシンキ(Helsinki)
・面積:約33.8万㎢(日本の約9割)
・人口:約560万人(日本の約4.5%)
・時差:日本-7時間(エストニアと同じ)
・公用語:フィンランド語、スウェーデン語など
・通貨:ユーロ(EUR)(2025年9月現在1EUR/172円程度)
・サウナ発祥の国(1000年以上の歴史がある、国内には200万~300万ものサウナがあるらしい)
・世界幸福度ランキング1位!(2025年時点で8年連続:世界幸福度報告書調べ)
・キャラクター:ムーミン(ムーミンワールドというテーマパークのほかムーミン美術館もある、2025年にムーミン小説の出版80周年!)
・サンタクロースの村「ロヴァニエミ」
・「森と湖の国」:国土の65%が森林で、18万もの湖が存在し、大都市である首都ヘルシンキにすら大きな森がある
・食:サーモンスープ、シナモンロール、ベリー、ミートボール
・企業やブランド:Nokia(通信技術)、マリメッコやイッタラなど有名な北欧デザインも
フィンランドは北欧随一の長寿国。20年ほど前から高齢者政策として、病院や介護施設でのケアから可能な限り自宅で暮らし続ける在宅・地域ケアへのシフトチェンジを行っています。予防と早期介入を重視し、自立・尊厳・高齢者自身の主体的な参加を原則に、「その人らしさ」を守る高齢者福祉を推進しています。フィンランドでは「高齢者のいるところに足を運ぶ」「高齢者にこちらから近づく」という、高齢者中心の予防的家庭訪問が行われています。また、高齢者と信頼関係を築くコミュニケーション能力が重視され、利用者に安心感や自尊感情をもたらすだけでなく、スタッフのやりがいにも寄与しているそうです。できる限り在宅で暮らし続けられるしくみの整備と模索、ICT活用によるケアの効率化や質の向上など、地域包括ケアシステムを推進する日本の医療にとっても参考になる点が多くありそうです
・正式名称:エストニア共和国
・首都:タリン(Tallinn)
・面積:約4.5万㎢(日本の約12%、九州の1.2倍)
・人口:約135万人(日本の約1%)
・時差:日本-7時間(フィンランドと同じ)
・公用語:エストニア語
・通貨:ユーロ(EUR)
・IT先進国:国民IDとデジタル署名でほとんどの行政手続きがオンラインで行える。電子居住(e-Residency)で海外から会社設立も可能。選挙のオンライン投票も他国に先駆けて実施されている
・世界遺産:首都タリンの「タリン歴史地区」は良好な状態で中世の面影を残しており、おとぎの国にも例えられる
・人口密度が低く自然豊か:国土の半分が森林で、ラヘマ国立公園、ソーマ湿原などあり、フィンランド同様に自然豊か
・食:黒パン、スルトゥ(豚肉を煮込んで固めたもの)、ヴェリヴォルスト(血のソーセージ、クリスマスによく食べられる)、ニシンの酢漬け、カマ(ライ麦、小麦、大麦などさまざまな穀物をすりつぶした粉、デザートなどに使用)、シカやイノシシなどジビエ、クラフトビール
・企業:Skype社(無料通話ツール、2025年5月にサービス終了)
エストニアは2008年に医療情報サービス「e-Health」を導入し、国民保健情報システム(National Health Information System:HIS)を構築して、すべてのクリニックや医療サービス業者に患者の医療データ登録を義務づけています。これらにより、医療従事者は患者の既往歴や過去の診断結果などさまざまな過去の医療データを電子医療記録(e-Health Record:EHR)で参照し、診察・治療を行うことができます。患者自身も、国民IDでポータルサイト(Patient Portal)にログインし自身の医療データを確認することができます。また、電子処方箋システム(e-Prescription)を用いて、医師はオンラインで処方箋を発行し、患者は薬局で迅速に薬を受け取ることができるほか、e-Ambulanceという、必要な場所に救急車を迅速に派遣できるシステムも備えているとのこと。
日本でもマイナンバーカードへの情報集約などが進むなか、医療分野でもIT活用が進むエストニアの現場の知見はきっと今後の医療の方向性を考えるヒントになるのではないかと思います
今回の研修旅行をとおして、フィンランド・エストニアの先進的な取り組みを現地でご覧いただき、自施設ひいては日本の医療機関の課題解決を考える契機となれば幸いです。
次回以降、また、本研修旅行について詳細を紹介してまいります。
どうぞ、またお付き合いください。
Nägemist!(ナゲミスト!、エストニア語で「またね、ばいばい」の意)
※本企画のパンフレットはこちら(参加募集はすでに終了しています)