コラム

2025.10.31

【学研介護サポート】
#3 もしもに備えていますか? 介護施設の自然災害対策・感染症対策・BCP対応はどうする?

はじめに:あなたの介護施設、自然災害が発生したらどうするか、確認できていますか?

介護施設は、地震・台風・豪雨などの自然災害に対して、非常に弱い立場にあります。

たとえば…

  • 大地震による建物損傷や火災
    →利用者によっては医療機器とともに緊急避難が必要になる、避難時の転倒などの二次被害の可能性、避難中の体力の消耗も大きなリスク
  • 台風・豪雨による停電
    →電動ベッドや医療機器が動かなくなるなど、一刻を争う事態にも
  • 土砂災害・浸水
    →早期避難困難による孤立、電気・ガス・水道、食料などのライフラインの復旧まで安全の維持

利用者や入所者のなかには自力での移動が難しい方や生命維持のため医療機器を片時も手放せない方もおり、自然災害発生時の対応には、各職員の冷静で迅速な判断、そしてチームワークが欠かせません。
そのためにも「もし、自然災害が発生したら、各人がどう対応するのか」事前に定めて認識を共有しておくことが重要です。

感染症の拡大も、介護施設にとっては非常に大きなリスク

いつ発生するかわからないけれど、発生した場合、迅速で複雑な対応が必要という意味で、新型コロナウイルス感染症、インフルエンザなどの感染症も災害と同じく対策が必要になります。

たとえ、1人でも感染症罹患者がでてしまうと、ゾーニングや導線管理などの対応が必要になり、職員は通常業務に加え、多くの対応に迫られます。

たとえば…

  • 個人防護具(PPE)の適切な着脱
  • 標準予防策、感染経路別予防策の徹底
  • 高頻度接触面(手すり、ドアノブ、リモコン等)の頻回な清拭
  • 面会やボランティアの一時制限など施設運用の見直し
  • 食堂・入浴の時間分散や共用レクの中止など生活やケア運用の変更

利用者の命を守るためには、緊急時に正しく対応することが求められるため、自然災害・感染症どちらの場合でも、平和な“いま”備えておくことが不可欠です。
そこで、そのような非常時に「誰が」「なにを」「どの順番でやるか」などを事前に決めておく計画書がBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)です。

事業者の責務、BCPはきちんと策定できていますか?


BCP(Business Continuity Plan)とは内閣府によれば「大地震等の自然災害、感染症のまん延、テロ等の事件、大事故、サプライチェーン(供給網)の途絶、突発的な経営環境の変化など不測の事態が発生しても、重要な事業を中断させない、または中断しても可能な限り短い期間で復旧させるための方針、体制、手順等を示した計画」のことです。

2021年の介護報酬改定で「BCP策定・研修の実施」が事業者に義務付けられています(2024年4月から完全義務化)。また、2024年の介護報酬改定では、業務継続計画未策定減算も新設されました。
背景となったのは、2018年の西日本豪雨・北海道胆振東部地震での施設被害、新型コロナウイルス感染症での施設クラスター発生による入居者被害といった、記憶に新しい災害等です。

こういった被害が「もし自施設で発生したら…」と想像した方も多くいらっしゃるのではないでしょうか? いつ起こるかはわからない、けれども備えておかなければ、最悪の場合、文字どおり命とりに…

そのような事態に陥らないためにも、利用者が安心・安全に過ごせて、職員も安心して勤務することができる施設を安定して継続運営できる環境づくりが重要になります。そのためにはBCPを抜きにしては進められません。
また、すでにBCPを策定している施設でも、時が経つとともに、さまざまな状況が変わりますから、計画の見直しが必要になることもあります。
そして、BCPは単に策定すればおしまいではなく、これを施設全体で共有し、いざというときに各人が正しく動ける体制づくりが欠かせません。


しかし、BCPの策定・見直しも、BCPをもとにした施設全体での対応の認識共有も、日々の業務に追われ、後回しになっていたり、どうやったらいいか、途方に暮れている管理者の方も多いのが実情ではないでしょうか?

解決策:「e-ラーニング研修」で
自然災害対策・感染症対策・BCP対応を学んでみませんか?

インターネット経由で視聴できる動画教材を使えば、こういった課題を一気に解決できます。

e-ラーニングのメリット

  1. 時間・場所に縛られずに学習できる
  2. 何度でも繰り返し、すき間時間で視聴できる
  3. 研修内容の「ばらつき」を防ぎ、みんなで正しい知識、同じ考え方を共有できる
  1. 外部研修の費用や内部研修の資料作成負担が減る
  2. 学習履歴の記録(LMS)で管理・記録が楽になる
  3. 指導・監査対策のエビデンスにも活用できる

もちろん、今までの研修と組み合わせて使用することも可能です。外部研修の予習・復習として学んだり、内部研修でも先に個人でe-ラーニングを視聴してから集合研修でワークに取り組むなど、さまざまな使い方ができます。
また、学習履歴が残るしくみ(LMS)を使えば、受講状況や理解度が一目でわかり、そこから記録も容易に作成できます。監査時の証跡としても心強い武器になります。

数字でみる費用対効果

例:3時間の集合研修×5名×年6回
→ 延べ90時間+準備10時間=計100時間

e-ラーニングで事前学習し、集合研修でワークに取り組むなど切り分けをすれば、準備の工数や紙資料コストともに削減できます。

学べる内容の例:「学研介護サポート」のe-ラーニング

自然災害対策・感染症対策・BCP対応コンテンツのご紹介 ※2025年度公開テーマ

対象者 分野 動画タイトル 講師
新人 感染症対策 介護の基本4 ~介護における安全の確保とマネジメント~ 竹田 幸司 先生(田園調布学園大学)
全職員 感染症対策 認知症の状態にある利用者の感染対策・衛生管理 ~ノロウイルス感染症を含めて~ 井上 信太郎 先生(有限会社心のひろば)
全職員 感染症対策 介護現場におけるインフルエンザ・新型コロナウイルス感染症対策 島﨑 豊 先生(NPO法人 日本・アジア口腔保健支援機構)
全職員 災害対策 もしもに備える災害対策 鍵屋 一 先生(跡見学園女子大学)
全職員 感染症対策 介護現場で気をつけたい感染管理 黒木 利恵 先生(神奈川県立保健福祉大学)
管理者 BCP わかる! 介護施設のBCP 小濱 道博 先生(小濱介護経営事務所)

※講師所属先は動画収録当時のもの

  • 各動画は10~30分程度
  • スマホ/PCで視聴可能
  • 小テスト付きで理解度チェックも簡単

効果的な使い方:動画+OJT+振り返りの3ステップ

  1. 動画で知識をインプット+小テスト
  2. OJT+チェックリストで実技確認
  3. ミニレポート or 口頭で振り返り

教える側の準備が最小限、教わる側はしっかり理解

サービス詳細はこちら

最後に:平時の自然災害・感染症への備えが利用者・職員、施設を守ります

自然災害や感染症の拡大は、本来起こらないに越したことはありません。
しかし、どんなに気を付けていても感染症に罹患することはある、これは新型コロナウイルス感染症の拡大を経験し、私たちが痛感したことではないでしょうか。
自然災害についても同様で、通常、想像しえないような規模の大地震、それにともなう津波、また、近年では台風だけでなく、突然の記録的な豪雨による都市機能の急な断絶など、予想もしなかったことが実際に起こっています。

そのようなときでも、事前にBCPの策定・見直しを適切に行い、これらをもとに施設全体で対応を共有しておくことで、不安ななかでも施設全体で適切に対応でき被害を最小限に食い止めることができるでしょう。

学研介護サポートのような、動画でわかりやすく学べる教材を使えば、みんなで正しい知識を得て、同じ考え方を共有できます。また研修の記録も簡単にまとめられるようになり、継続的に実施しやすくなります。e-ラーニングで、自然災害対策・感染症対策・BCP対応に施設全体で取り組む第一歩を踏み出してみませんか?

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