
コラム
2025.12.05
ここで言う商品的価値とは、「もの」としての単純な金銭的価値ではなく、私たち個々の看護師キャリアの社会的意義における価値を指します。
看護は理論と実践の往来により確立していくものですが、実践には個人の経験知も反映されます。
同じ「看護師」でありながらたどってきたプロセスは個々のもので、同じものは1つとして存在しません。
看護師としての成長プロセスは個人としてのキャリアの価値であり、その結集がチームワークとなり、患者へ看護というサービス(商品)を届ける……ここに、看護師キャリアを「商品」と表現しているゆえんがあります。
日本において年功序列や終身雇用が人生設計の中心にあった頃、主に看護師の経験年数から個々人の価値を測っていた時代がありました。
それはすでに過去のものとなり、現在では自分自身の強みや興味、価値観の理解に基づいてキャリアを形成していくことが必要となります。
医療市場や将来の動向を見据えつつ看護師としてのキャリア形成を行うことで、変化する医療業界においても看護師としての競争力を保つことにつながります。
看護師キャリアの商品的価値は、看護師個人の成長プロセスとともに進化し続けるものであり、その価値は医療業界内外で広く認識され、尊重されるべきものと考えています。