
コラム
2026.06.04
前回の電子処方箋の話題から引き続いて、処方箋において医師の印鑑の役割をもつ電子署名(HPKI カード)を巡るよもやま話です。
HPKI はなかなかなじまない略称で、「HKPI」などと間違われたりしますので、正式な英語表記「Healthcare Public Key Infrastructure」を 覚えておきましょう。厚生労働省は、医療現場において公的資格の確認機能を有する電子署名や電子認証を行うための基盤(保険医療福祉分野の公開鍵基盤)となるカードと言っています。
ここで気になるのは、HPKI の対象職種です。もちろん代表的な職種としては医師・歯科医師、そして薬剤師ですが、実は電子署名ができる対象には医療系国家資格 27 種が挙げられています。さらに、5 つの管理者等資格(病院長、診療所院長、管理薬剤師、薬局開設者、その他の保険医療福祉機関の管理責任者)もあるのです。
こう見てくると HPKI は電子処方箋にとどまらず、今後の医療 DX に欠かせないものとなることは間違いありません。ところが、世界的な半導体不足の煽りを受けて、2025年 5 月現在でも HPKI カードの発行が一時停止されています。現在は、生体認証した個々のスマートフォン等(マイナンバーカードとの紐づけもあり)を用いた「HPKI セカンド電子証明書」が先行発行され使われる運用になっています。
セカンド? と不思議に思われるかもしれませんが、電子署名は HPKI カードがもと(ファースト)で、スマホ等は第二の手段として「セカンド」電子証明書となるのです。まさに電子マネーと同じようなことで、しばらくするとどちらが一番だったかわからなくなっていくことでしょう。