コロナ禍の教育現場では臨地実習の代わりとして学内演習が行われました。今号は、本学で実施した成人看護
学実習のモデル人形を用いたシミュレーション演習をご紹介します。
前回のコラムで子宮頸がん患者の事例演習をご紹介しましたが、同じ模擬事例でシミュレーション演習も実施しました。広汎子宮全摘出術の帰室時バイタルサイン測定や、点滴投与中の全身清拭の実践などです。
患者役はその時の感染状況に応じてモデル人形を用いたり、学生または教員が演じました。帰室時の患者体験を
した学生は、手術直後の患者の不自由さや看護師の一挙手一投足に患者が影響を受けることを感じていました。ま
た、教員が多彩に患者役を演じたときは、学生の想定どおりにならない状況が生じました。むしろ、この困惑が患者
への配慮やアセスメントを深める学習につながりました。
一方で、学内の慣れた環境下では緊張感を保てない学生もいます。シミュレーション演習ではプロの模擬患者を招聘する教育機関もありますが、相応の費用を要します。このように教材の作成や、模擬患者の育成にかかる時間と経費を考慮していくことも課題になります。
【プロフィール】
著者:
学校法人 湘南ふれあい学園 湘南医療大学 櫻井 友子 先生
千葉大学大学院看護学研究科附属看護実践研究指導センターで特任助教を務めたのち、
ベンチャー企業での健康アプリ開発などを経て2018 年湘南医療大学保健医療学部看護学科に着任。
臨床看護学領域講師。
※本コラムは、メディカルサポート便り 2022年7月号に掲載されたものです。
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投稿日 : 2023.07.20